タッチ
- changuu
- 5月27日
- 読了時間: 2分

日々、お客様の心身を安心して委ねていただけるよう、私は「触れる」ことについて探求している。
それと同時に「触れられる」ことにも意識を向けている。
自分の肉体と精神がどのような状態か、現在地を確認する。
どのように触れるか、触れる側の「今」がダイレクトに反映され、触れられた側は確かに影響を受けてしまう、タッチにはそういう力がある。
「触れる」という行為は最も根源的なコミュニケーションの手段であり、ノンバーバル・コミュニケーション=言語以外の意志を伝達する。
また、「触れる」ことは「触れられる」ことでもあり、「触れられる側」よりも、むしろ「触れる側」の方が、愛情ホルモン・絆ホルモンと言われるオキシトシンの分泌が多いことが確認されている。
しかし、昨今では万能と言われるオキシトシンにはダークサイドも存在していることが分かっている。状況によってはオキシトシンによって攻撃性が増し、妬みの感情や人の失敗をほくそ笑む感情を強くするケースもある。
攻撃する時と、絆を深める時、私たち人間の脳には同じような反応が起きている。
タッチ=触れる
まだまだ分かっていないことも多い「触れる」ことの効果。
タッチによって引き起こされる作用を知ること。
私にとってそれはとても重要なこと。
昨今では、国際疼痛学会による痛みの定義が変更され、「実際に痛みになる障害がなくても痛みはある」ことが認められている。
これは脳に痛みの記憶が残り続け、痛みの原因がなくとも痛みが引き起こされる「痛覚変調性疼痛」といった状態。
また「社会的拒絶は肉体的な痛みと体性感覚を共有する」というミシガン大学の研究では、脳は心の痛みと体の痛みを同じように捉えるということが報告されている。
例えば、体の一部(腕や足など)をぶつけたりして大きな痛みの刺激を感覚した時、擦ったり振ったりして痛みを逃がそうとする。
こういった行動は人間も動物もやっているが、痛みとは違う刺激を与え神経を抑制している。
神経細胞は複雑に絡み合っている。
皮膚表面から、2.2mmの見えない領域で起こっていること。
オイルマッサージを行うということは、神経に触れるということ。
私の手の下の肉体で何が起こって、そこから伝わる感覚がどのように脳に伝わっているのかをイメージすると、オイルマッサージは一方通行の触れ合いではないということだと。
そう思う。
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