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ハワイフレッシュカダバー解剖実習



ハワイから帰ってきて数日経ちましたが、私が実習で見てきたこと、知ってしまったこと、感じてきたことをまだうまく言葉にできないというのが正直なところではありますが、「今」を記録しようと思います。


私は今回この実習に参加した理由の一つに、「筋膜=ファシア」について本当を知りたいという思いがありました。


実際の人体の中で目にしたファシアは、私が想像していたものよりもはるかに複雑でありながら秩序だっていて、立体的で、そして全身につながるものでした。

今回の解剖実習は、私にとって新しい知識を得る場というより、「知っているつもりだった身体」と改めて向き合う時間だったように思います。



私は数年前、トーマス・マイヤース氏によって書かれた「アナトミートレイン」で初めて筋筋膜経線を知りました。

そして今、この「アナトミートレイン」が何を伝えようとしていたのかを理解する入口に立った気がしています。


筋膜は人間のあらゆる動きや機能の元となる重要な組織であり、全身に張り巡らされ包み込み、紡いで、人体を成り立たせています。

遠くへ行かないようにしっかりとホールドし居場所をキープしている。


これまでも筋膜ラインをストレッチしたり、ムーブメントで動かしたり、揺らしたり、伸ばしたり、ロングストロークで流動性を促したり、様々な手法を通してファシアに働きかけてきました。


実際の人体を見たことで、身体を部分ではなく全体のつながりとして捉える感覚がより鮮明になったし、このつながりなら、こんなアプローチもできるかもしれないという発想が今は湧いてきています。

身体がまるでスケルトンのように立体的に見える感覚。

その感覚が育ってくると、触れる手の感受性も変わってくるように感じます。

何を触っているのか。その奥で何がつながっているのか。

そんなことを感じながら触れる手は、以前とは少し違うものになっているのかもしれません。

もう以前の自分には戻れないのですから。



ハワイでの数日間、筋膜を剥がす作業をたくさんしてきたからこそ、剥がしちゃダメ!絶対!と思ってしまう。

それに簡単には剥がれないし、癒着だって組織同士はそうそう簡単に張り付かないのかもしれない。

いくつになっても、体はみずみずしさを保っています。




背中に触れた時、脊柱の存在感を感じることはできますが、それは奥の方で私たちの体を支える強靭な骨のオーラのような、その上に何層にも重なり合う組織ごと維持する存在感なのです。

体はそう簡単には壊れないし、たくましくてしなやかで、力強い。

私たちが思う以上に賢く、自らを支える力を持っています。




ファシアは剥がすというよりも、リリースするというよりも、滑走性を高め、動きを引き出し、適応力を回復させることが大事で、ファシア自体がもつ受容器や神経系の緊張のパターンを変化させることの方が、私のトリートメントには大事。


私は筋膜を剥がして機能を改善することはこれからもしないし、できません。

筋膜は、単なる膜ではなく、自らが受容器としての機能を携え、神経や血管、水分を含んだ生きた組織です。

組織と組織を結合する組織が膜であり、その流動性と滑走性を高めることがボディワーカーとしての私の仕事です。

組織内の水の流れを良くすること、水を行ったり来たりさせることはオイルトリートメントこそ有効だと改めて感じました。



そんな私は、今、生と死を分けるものは何かという問いの前で立ち止まっています。

体の構造を知ることはできても、生命そのものを単なる部品の集合で語ることはできません。

その人が歩んできた時間や経験、積み重ねてきた習慣や感情、生きた証は、確かに身体に刻まれています。

だからこそ、生命を分けているものは何か?という問いを持ち帰ること自体が、この解剖実習で得た大きな学びだったのかもしれません。

生命は、肉体だけでは成り立たないということです。

物質的な観点から体を観察することで、目には見えない暗号や信号のような体の機能が働いているという事実、そして、エネルギー体を意識せざるを得なくなります。

私たちの想像を超えた大きな摂理が働いている。


今、この文章を書いている私の身体の中にも小さな震えと動悸があります。

その感覚が、私に「生」を教えてくれているのだと思います。


目の前にあるお客様の筋肉や骨格だけでなく、そのお身体に刻まれた人生や、今ここに息づく生命への敬意を忘れず、触れることをずっと探究していくことが、今回のご献体から引き継いだ大切な贈り物だと思っています。感謝いたします。


今回ハワイでの実習の機会を与えてくださった「ハワイメディカルリサーチセンター」奥野先生、利江子先生、境谷さん、一緒に学んだ仲間のみなさん、貴重な体験と時間を本当にありがとうございました。一生忘れません。


この経験を私に出会ってくださったクライアントの皆様に必ず還元してまいります。

このような旅をさせていただき、本当にありがとうございました。




 
 
 

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